「19 -ナインティーン-」 著:綾崎隼 入間人間 紅玉いづき 柴村仁 橋本紡 [本の感想]

こちらも買ってから2か月くらい放置して、ようやく読み終えました。

110222_1229~01.jpg
メディアワークス文庫
「神様って意地悪だ──。だけど……。」
5人の人気作家が描く19歳の彼女彼らの物語。



まず私の大好きな紅玉さんだし、橋本さんも大好きだし。
入間さんは読み切り短編読んで、よくわかんないなーって印象だったけど(笑)
綾崎さんと柴村さんは本ほしくていたんだけど、買えずにいたんだよね。
好きな作家さんオンパレード。
テーマが19歳ってことで、どの話もひねくれているというか、
斜に構えてるというか、大人や世の中に対する反抗心、
何よりも自分に対する反抗心みたいなものがいっぱいで、
なんだかくすぐったかったです。
まだ私にも近い、19歳。
でも私は通り過ぎた、19歳。
ちょっとそれを過ぎた今読めたことは、よかったなぁって思います。
19歳より下だったらきっと理解できないただの青春物語。
19歳だったらすべてを素直に読めず反抗心が芽生えたかも。
過ぎ去った今だから、微笑ましいような、でもまだ乗り越えきれていない部分もあって、こそばゆい。


読んだうえで、「19歳」に対する思い。
19歳って、少し通り過ぎてからだから、
反抗心なく共感しつつ、笑えたからよかったかも。
知識だけ増えて頭でっかちになったただのガキ。
自分は子供じゃないって、プライドばっかり高いくせに内容が伴わない。
大人に世間に反抗するくせに、実際自分のこと認めていない。
言われたこともせず反抗して自分でできるというけれど、
実際自分の能力なんか理解していない。何もしない。
敷かれたレールしか歩けないことをわかっているくせに、わからない。
自分で歩くって言いながら、なんだかんだ理由付けて歩かない。
焦っているくせに、行動しない。
中途半端にやってみて、できないことを周りのせいにする。
でももはやその年齢になり、ついには二十歳になり、
そうすれば責任逃れはできなくなり、破滅の道を進んでいく。
後始末は周りがやってくれていたことに気付かない限り、
いつまでも子供のままなのだったりして。
そうやって焦って失敗してへこんで周りともめたり、引きこもったり、
色々繰り返して大人になっていくんだねー
私はどうなのか。
二十歳も過ぎてますが、まだまだっすねー
言われたことすらまともにできず、自分でもできず。
でもなんだか、悟って大人になるよりも、
もがき苦しんでいる捻くれた子供の方が、楽しい気がするよ。
これが青春ってやつなんだろうね。輝かしき青春。


細かい感想はネタバレを含んでしまいますので追記から。「19歳だった」 著:入間人間
前回、いつだか本誌で入間さんの読んだのですが、それきりでした入間さん。
どうにも私にはついていけず、?が増えるばかりだったんですね。
でもなんだかその?が癖になりそう。ぶっ飛んだ感じが好き。
ぶっ飛んでるのに細かいとこ現実的で、そのバランスがw
あと、目で見たときの表現が多い方なんですね。
また別の話も読んでみたいです。入間人間さんワールドもっとみたい。

「×××さんの場合」 著:柴村仁
女って、何とも怖いw 女って、醜悪w
神話がちょこちょこっと挟み込まれてるのに、ギャグ。いいね!
男は頭悪くて愚かで子供。
女は頭悪いふりしてすべて計算して醜い。
女は男に裏切られるが、すべてを取り計らっているのは女だw
男に裏切られることまでも、女の計算だとしたら…

「向日葵ラプソディ」 著:綾崎隼
表紙買いしようかとして手に取り、あらすじ読んで気になり、でも買えていなかった綾崎さんの本。
この機会に綾崎さんの話読めてよかった!次は本買うよ~
なるほど。もっと切ない儚いミステリー系かと思ってたけど、巻き込み型なのね。
巻き込んで引きずっていく感じなのか!女の子強。
後半部に出てくる掴みどころのない変態系青年が私のツボですよね。
お父様も素敵。短編じゃなくて、もっと細かく読みたいかも。お父様と明季沙の詳しいとこ。
登場していない婚約相手と偽婚約者の関係とかすごく気になるよね。
なんだろう、あれっぽい気がしました。
モバゲで読んだ某小説に似ていて、携帯小説ぽいのかもしれません。
なるほどなるほど。綾崎さんへの勝手な思い込み印象ががらりと変わってしまった!

「2Bの黒髪」 著:紅玉いづき
紅玉さんの書く人物って、歪んでいるけれど、それなんだか一周まわってまっすぐな気がしますよね。
まっすぐな人間の方が、気持ち悪くて歪んでる気がする。
短編だから読みやすかったです。
現代舞台だけどWeb漫画、ブログ、予備校、と今時を象徴していて想像しやすい。親近感?
異世界な話の紅玉さんがすごく好きで、小説っぽくない童話な感じが好きなのですが、
これもこれで面白いですよね。ガーデンロストはいまだにトラウマ(笑)


「十九になるわたしたちへ」 橋本紡
橋本さんの儚い切ない青春ストーリーが好き。
たとえ過去も未来も失われても、今幸せであろうとする登場人物たちが好き。
捻くれてたり、悟っていたり。どっちが楽なのかなぁー
ぱっとみ理解をしている悟りの方が楽かもしれないけど、
楽しいのは捻くれてもがき苦しんでいる方かもしれないよね。
素直に掴み取りなさい、チャンスを。希望を。今幸せであるために。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。